Les Larmes de Jacqueline
先日来の 「涙」シリーズが、いったい、いつネタ切れになるのかと思っているこの頃。 さて、今度はフランス語の涙 (Larmes) の曲で、Les Larmes de Jacqueline (ジャクリーヌの涙) というチェロの小品。 作曲はオッフェンバック、演奏は曲名と同じ名前の伝説的チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレ。 あたかも、曲のタイトルが 彼女の生涯 を暗示しているかのようで、その深い響きが涙を誘う。
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先日来の 「涙」シリーズが、いったい、いつネタ切れになるのかと思っているこの頃。 さて、今度はフランス語の涙 (Larmes) の曲で、Les Larmes de Jacqueline (ジャクリーヌの涙) というチェロの小品。 作曲はオッフェンバック、演奏は曲名と同じ名前の伝説的チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレ。 あたかも、曲のタイトルが 彼女の生涯 を暗示しているかのようで、その深い響きが涙を誘う。
涙に絡んで、スペイン語(Lagrima)、ラテン語(Lachrimae) と続いたので、今度はイタリア(ナポリ)の Lacreme Napulitane (ナポリ移民の涙)という曲を紹介したい。 Libero Bovio 作詞 Francesco Buongiovanni 作曲による 1925年の作品。 歌詞はナポリ語で書かれており、そのままでは全く理解できないが、英訳サイトがあったので自分なりに意訳してみた。 (内容は保証できません。)
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「ナポリ移民の涙」
愛する母上へ
もうすぐクリスマスなのに
遠く離れているのが悲しい
にぎやかに爆竹を燃やし
バグパイプの音を聞きたい
まだ小さな娘のためにベッドを作り
テーブルの上に私の皿を置いて
そしてクリスマスイブを祝いたい
あなたと一緒にすごせるならば
涙ばかりの、アメリカの地
仲間達はナポリの空を思って泣いています
このパンの味気ないこと
お母さん、お金って何だろう
故郷を偲び、泣かねばならないのでは
意味がない
今僕には少しばかりのドルがあるけれど
こんなに貧しい思いをするなんて
毎晩うちのことを夢に見ます
子供の声が聞こえます
でも、お母さんは聖母マリア様
それも胸に剣を持ち
息子に突きつけているかのよう
もらった手紙に書いてあったね
娘が、出て行った母親の名を呼んでいたのだって
どうしたものか もし子供達が望むのなら
どうか彼女に戻ってきてほしい
私はまだ帰れないのです
みんなのために、ここで働くから
家も国も名誉もない
でも生きていきます
家畜のような移民として
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1900年代当初、イタリアからアメリカに渡った移民に関する資料によると、実際に相当に厳しい生活を強いられていたらしい。 ただ、作詞家自身がどのようにして移民達の境遇を知る事ができたのかは、よく分からない。 また、詞の内容については、どちらかというと自分の恨み辛み (困窮し、出稼ぎに出た挙句、嫁に逃げられた?) を母親に対して、ひたすら書き連ねている、というように読めてしまう。 これじゃあ手紙を受け取った母親はたまらんだろう、と思ったりしたが、それは余計なお世話か。
歌っているのは Roberto Murolo (1912 – 2003)。 大仰なカンツォーネとは違う、静かな唄い方で、歌詞の背景にある、生きていく切なさのようなものを醸し出していて、中々いいなと思う。
前記事の Lagrima はスペイン語だが、同じく涙を意味するラテン語のラクリメ(Lachrimae) という曲がある。 1600年頃のダウランドの作品。 それなりに有名な曲なので、歌、リュート、ギター、リコーダー、ヴィオラダガンバ、など様々なスタイルでの演奏を、ネットで探すことができる。 ここでは、あえて変わった所で、アコーディオンでの演奏を紹介したい。 演奏しているのは、Francesco Palazzo という、イタリアのアコーディオン奏者。 ゆったりした旋律が、アコーディオンの響きにとても良く合っていると思う。
Lagrima とはスペイン語で 「涙」。 ギター曲の Lagrima とはだいぶ趣が変わるが、ドニゼッティ作曲の有名なオペラアリアで、題名に同じ言葉を含む 「Una furtiva lagrima (人知れぬ涙)」 という美しい曲がある。 Youtube で少し探すと、パヴァロッティを初め、往年の名テノール歌手の、情感あふれる素晴らしい歌声を聴くことができる。
ところで、ネットには、この曲の動画がたくさんアップされているが、中でも特に気に入ったのがこれ。 歌っているのは、エンリコ・カルーソー(1873 - 1921)。 哀愁、ここに極まるといったところか。
「これ何ていう曲か知っとるね?」 と、かみさんが尋ねてきた。
「ギターの音で 〽 ミファソレー、ミファソレー、ドシラソーファ、ミレシドー、というメロディーなんだけど・・・」
ラジオかなんかで聞こえてきたそうで、そういえば自分も聞き覚えがあって、何だか気になってしまったので探してみる事にした。 たぶんクラシックギターだろう、まずは YouTube で、それらしい動画を片っ端から開いてみる。 でも、中々見つからない。
もしかすると、メロディーで曲を検索してくれるサービスが使えるのでは、と思って探すと、すぐに midomi (http://www.midomi.co.jp/) というサイトが見つかって、ここは、マイクに向かって鼻歌を歌うと、曲名を教えてくれるらしい。 さっそく試してみる。 でも、「曲がみつかりませんでした」 と表示される。 残念。
自分で歌うのでは、あまりに音痴で認識できないのかもしれない。 他にないかと思って探すと、今度は Musipedia (http://www.musipedia.org/flash_piano.html) というサイトが見つかって、ここは、画面に表示されたピアノの鍵盤をクリックしてメロディーを入力できる。 これなら大丈夫と思って、試してみる。 入力後、検索ボタンを押すと、いくつか候補の曲名と楽譜が表示されるが、やはりそれらしい曲は見つからない。
うーむ、難しいもんだと思いつつ、あきらめきれずにネット上を適当にうろうろしているうち、画像検索で楽譜を探せる事に気がついた。 「Classic Guitar Piece」 で検索すると、おお、大量に楽譜のリストが表示されるではないですか。 ほどなく、ああこれだ、という曲がみつかった。 タレガの LAGRIMA(涙) という曲でした。 めでたしめでたし。
曲が分かったので、演奏している動画を探して聞いてみた。 いろんな人が弾いているけれども、自分は Anabel Montesinos という人の演奏が気に入った。 素朴な主旋律に、ギターならではの叙情あふれる味付けが加わって美しい。 中間部の旋律がこれまた切ない。 まさに珠玉の小品。
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