たとえば、たまたま訪れた旅先で、長いこと会っていない懐かしい知人に、突然再会する、なんていう体験をしたことがあるでしょうか....今日、こんな事がありました。
◇ 阿蘇の外輪山から西に伸びた尾根の途中に、一の峰という眺めの良い山があります。 今日は朝から快晴で、特に用事もなかったので、そこに家族で出かけることにしました。 車ですぐ近くまで行けて、徒歩で片道30分の軽いハイキングです。 この山は、以前登ったことがあるので、道は分かっているつもりだったのですが、最初、車で上がっていく道筋を間違えてしまい、登山口につくのが20分ほど遅れてしまいました。
◇ その後は順調で、雲ひとつない空の下、広い草原の中をてくてく登っていきました。 点々と、マツムシソウなど、秋の野草が可憐な花を咲かせています。 ほどよい汗をかいた頃、やがて頂上につきました。 間近に阿蘇の山、遠くに熊本の平野が見渡せる、雄大な眺め。 そよ風が気持ちいいこと。
◇ しばらく頂上で休んで、そろそろ下ろうかという頃、下から3人連れの方々が登ってきました。 せっかくなんで、家族で写真を撮ってもらおうかと思い、その中の一人の女性に声をかけて、シャッターを押してもらいました。 見たところ私と同年代、気さくな人のようで、「どちらからですか?」 と尋ねられたので、「あ、熊本市内からです」 と答える...他愛ないやりとりです。 と、その時。 横にいた、かみさんの顔に、アレ? という表情。 「えーーっと、もしかして...」 という、かみさんの問いかけに、「こーぐち...ですが」 という返事。 「あーーやっぱりーー」 なんと、2人は、20数年ぶりに再会した高校の友人同士だったのでした。
◇ 本人たちはもとより、私もびっくりです。 「偶然のいたずら」 なんていう言葉があったかな。 ある山の頂上で、20年ぶりの知人に会う確率って、どのくらいなんでしょうね。
それに面白いと思うのは、もし最初に車で上がってくる道を間違えずに、もっと早くついていたら、こうやって話を交わすこともなかっただろう、ということです。 20分早く行動していたら、私達が下山している途中で、先方の方々とすれ違うことはあっても、まさか、それが懐かしい友人だとは気がつかなかったことでしょう。
また、もし私が家族で写真をとってもらおうと思わなかったら、やはり、話を交わさずに下山してしまったかも知れません。
さらには、先方の話によると、元々は、この一の峰に登るつもりはなくて別の山に行くはずだったのが、同行する人の急な都合で、予定を変えてこちらに来たとのこと。
◇ 何だか、いろんなことが、まるで二人を再会させるために、お膳立てをするように起きているのが楽しいです。 ふだん、大した変化のない日々を淡々と過ごしていると、こういう意外な出来事というのが、とても新鮮に思えます。 かみさんだけでなくて、私にも、何かわくわくするような事が起きないもんでしょうかね...。
マツムシソウ
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