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フランドル楽派 ~ ルネサンス期の楽器

これまでの記事では、主に声楽曲について紹介してきたが、今回は、楽器について書くことにする。 ネタ元は、デイヴィッド・マンロウ 著 (柿木吾郎=訳)「中世・ルネサンスの楽器 (1976)」 である。 本の解説によれば、ルネサンス期の音楽家は、声楽に高い価値をおき、楽器は、あくまで補助的なものとして扱っていたらしい。 実際、フランドル楽派など、ルネサンス期の作曲家の主な作品は声楽曲であった。 それでは、楽器というものはあまり使われなかったのかというと、実はそうでもなくて、多くの絵画や文献から、中世以来、様々な楽器が作られ演奏されていたことが知られている。 また、リュートやリコーダーのために歌曲を編曲した楽譜が出版されたりもしている。 つまり、器楽専用の曲というものは少ないが、歌に合わせたり、編曲したりして、多くの場面で楽器が使われていたようだ。 例えば、宮廷の祝賀会や舞踏会、貴族の家庭の娯楽、等々。

現代からみた時に、はるか昔に奏でられたであろう音を、実際によみがえらせる 「楽器」 というものには、少なからず不思議な魅力がある。 上記の本の中に、古い時代の、いくつかの楽器の音色について書かれた文章があるのだが ...甲高い、甘美な、よく響く、鼻にかかった鋭さ、激しく振動する響き、声と融け合う、豊かな騒音 ... など、実に様々な表現が用いられれている。 このように、楽譜だけでは伝わらない、400年以上も前の人々の息吹を直接に感じ取ることのできる、楽器というものの持つ意味は、やはり大きいと思う。

上記の本を著した マンロウ という音楽家は、そういう古い時代の楽器に魅せられて、数多くのコレクションと研究成果、さらに豊富な演奏録音を残した稀有の人物として有名である。 本には、2枚のLPレコードが付属しており、実に78種類もの、中世からルネサンスにかけての楽器が、当時の楽曲を使って紹介されている。 演奏は、マンロウ率いる、ロンドン古楽コンソートによるもので、その創意あふれる活き活きとした表現が素晴らしい。

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