半導体結晶とエネルギーバンド ( #半導体 #エネルギーバンド)
「半導体デバイスの基礎」 という教科書の続きで、結晶内の共有結合とエネルギーバンドについての定性的な解説を読む。 まとめると...
1.原子がたくさん集まると、共有結合やイオン結合というメカニズムが作用して、結晶ができる。
2.結晶の中では、電子のエネルギーが、一定幅(バンド)に広がって存在するようになる。
3.シリコンのような半導体では、複数のバンドがあるうちの、一番高エネルギーのバンド(価電子帯)が、一原子あたり4個の電子で埋まっていて、その価電子帯の電子が共有結合状態を形成している。
4.通常の温度だと、価電子帯の電子の一部 (総電子数の 10 の -14乗) が、価電子帯よりもさらに高いエネルギーバンド (伝導帯) に跳ね上がる現象が連続的に起きていて、その伝導帯のパワーを持った電子は、共有結合の束縛から解放されて、結晶内を自由に動き回れるようになる。
といった理解をした。 もっとも、電子のエネルギーが決まる原理とか、共有結合の量子論的な説明とか、ろくに分かっていないので、上記の議論は天下り的に受け入れるしかない。 その辺、ちょっと心もとないので、いずれまた勉強し直したいと思う。
総電子数 に対する伝導体の電子数の割合が、10 の -14乗 ( 100 兆分の1) しかないというのは、少し意外だ。 普段、パソコンを使っていると、CPU の中で結構な電流が流れているはずで、それは伝導体の電子が担っているはずだ。 ところが、その個数は、CPU内部の半導体に含まれる電子数を日本の国家予算とすると、たった1円相当の電子ということになる ....本当か?
右図は、走査型トンネル顕微鏡による、シリコン結晶の画像。
電子雲(伝導帯または価電子帯 )の表面の形が、
トンネル電流の大きさ(陰影)に反映されていると思われる。
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