ルベーグ積分 ~ 単調増加する集合列の正則測度

ルベーグ積分の学習。
ルベーグ積分⑬ ~ 正則測度の性質 ~

ブロッコリーの体積を直接測ることは難しいが、水に沈めて水面の上昇量を調べることで、
間接的に体積を測ることができる。 仮に品種改良を繰り返して、次々に大きなブロッコリーが
作られるようになったら、それなりに大きな水槽を用意して測れば良い。

では、このように大きくする品種改良が 「無限回」 繰り返されたら、同様に水を使って間接的に測ることができるだろうか。

この場合、もし大きさが無限に大きくなるのであれば、「無限大」という測定結果になるだろう。(普通ありえないけど)
一方、いくら改良しても、これ以上大きくできないという限界があるのだったら、測定値は、その限界の大きさに収束し、
それを体積の極限値とすれば良い。

言葉で書くと、当たり前のことなのに、数学的に無限回というのを厳密に扱うと、妙に証明が難しくなるのでやっかいだ。
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ルベーグ積分 ~ 測度の正則性

ルベーグ積分の学習。
ルベーグ積分⑫ ~ 正則測度の構成 ~

測度とは、極めてざっくり言えば、何かの測定値なわけで、(と思っているだけで、あまり自信はないが)
測る対象(集合)と測り方(測度の定義)次第で測れたり測れなかったりする。

雑な例で何だが、例えばブロッコリーの体積を「直接」測ろうとすると、これは大変なことで、
おそらく測れないんじゃないかと思う。 しかし、下の写真のように、ブロッコリーを水に沈めて、水面の上昇量を
記録すれば、適当な方法で上昇した分の水の体積を調べ、間接的に、ブロッコリーの体積が分かるはずだ。
この時、ブロッコリーの表面と、周りの水の間に気泡などの「隙間」がないこと、が重要なのは言うまでもない。

で、このように測れない対象を直接測定する代わりに、別の測れる対象を測定し、その結果を「正しい測定値」として
代用しようというのが、今回学んだことだ。(合っているだろうか?) ただ代用するといっても、その結果が
信頼できないと困るので、一定の条件をみたす信頼できる測定値のことを 「正則な測度」 と呼ぶらしい。

上記の例えでは、ブロッコリーと水の間に隙間がないことが必須の条件だが、数学的には、似たようなことが
集合の要素の「下限値」という言葉で語られる。 最初、証明を見た時は何を行っているのか、さっぱり
分からなかったが、繰り返し噛みしめるように論理を追っていくと、次第に意味が分かってきた。 するめみたいだな。
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ルベーグ積分 ~ 無限個の集合の和の測度

ルベーグ積分の学習。
数の落とし子 ルベーグ積分⑨ ~ 可測集合列の和集合の可測性 ~

測度が決まる集合(可測集合)を無限個集めた時、その和集合の測度を決めることができる(可測である)という話。
数式を追っていくと、正しいことがわかるが、集合を無限個集める、という時点で直観から遠ざかってしまい、
どうももやもやした感じが残る。 
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ホットケーキをたくさん重ねても、境界がぼやけることは無いので
大きさを測ることはできそうだ。

でも無限個集めたら、無限に大きくなる可能性もあるので
そうなると、いつまでたっても測り終えることができないかも・・・

いや、測り終えることができないことを予測できるから、
「大きさ無限」という測定値が得られて、それで 「可測」
というわけか・・・。

ルベーグ積分 ~ 単調増加する集合列

ルベーグ積分の学習の続き。
数の落とし子 ルベーグ積分⑥ ~ 可測集合の性質 ~

複数の集合を次第に大きくなるように定義し、それらを無限個に増やしていく場合、「全ての集合の和(合併)」の測度は、
「最後の集合の測度」の極限値になる、という定理を教わった。

ホットケーキの下に、より大きいホットケーキを挿入することを何度も繰り返した後、全体を上から見た時の大きさは、
当然、一番下のホットケーキの大きさになるわけだが・・・それを無限回繰り替えしても、結果は同様・・・という、
これまた当り前じゃないかという気がする。 でも、「無限回」というのを、きちんと言葉で説明しようとすると、
どうもうまく行かない。 そこを、正確に反論の余地なく説明できるのが、数学の面白い所。
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ルベーグ積分 ~ 集合の可測性

ルベーグ積分の学習の続き。
数の落とし子 ルベーグ積分⑤ ~ 可測集合の性質 ~

ある集合に対して、可測性、つまり何かしらの測定ができるかどうかを判定するのは、まじめに考えると簡単ではないらしい。
数学では、可測性を「境界がはっきりしているかどうか」という意味で扱い、それを数式で表現することで、各種の定理が
導き出される。

例えば、ホットケーキを切って重ならないように並べた時、「全体の大きさ」 と「切れ端1枚ごとの大きさの合計」は等しい。
ただし、切った時に境界がはっきりしなくなったら、1枚ごとの大きさが怪しくなるので、合計した大きさが、切る前より
大きくなったりするかもしれない。 そういったことを、逐一数式に置き換えて証明を行うので、えらく大変だ。
まあ、そうやって直観的に当たり前と思えることを、論理的に見直すことは大事なことなのだろうと思う。
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ルベーグ積分 ~ 測度の劣加法性

かねてから理解したいと思っていた、ルベーグ積分について、動画で学習。
数の落とし子 ルベーグ積分

痒い所に手が届く解説で素晴らしい。 とはいえ、先は長いし大丈夫だろうか。

まずは測度の定義から。
測度とは、ある集合Aを完全に含むような『集合の集まり」を想定したとき、
Aの測度 『集合の集まり』 を構成する集合の測度の和
となるように決めるものである、という。

この性質を劣加法性と呼ぶそうだが、例えばこんな感じか?
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 上に乗っているホットケーキの大きさ
 ≦  下のホットケーキ1枚ごとの大きさの合計

半導体結晶とエネルギーバンド ( #半導体 #エネルギーバンド)

半導体デバイスの基礎」 という教科書の続きで、結晶内の共有結合とエネルギーバンドについての定性的な解説を読む。 まとめると...

1.原子がたくさん集まると、共有結合やイオン結合というメカニズムが作用して、結晶ができる。

2.結晶の中では、電子のエネルギーが、一定幅(バンド)に広がって存在するようになる。

3.シリコンのような半導体では、複数のバンドがあるうちの、一番高エネルギーのバンド(価電子帯)が、一原子あたり4個の電子で埋まっていて、その価電子帯の電子が共有結合状態を形成している。

4.通常の温度だと、価電子帯の電子の一部 (総電子数の 10 の -14乗) が、価電子帯よりもさらに高いエネルギーバンド (伝導帯) に跳ね上がる現象が連続的に起きていて、その伝導帯のパワーを持った電子は、共有結合の束縛から解放されて、結晶内を自由に動き回れるようになる。

といった理解をした。 もっとも、電子のエネルギーが決まる原理とか、共有結合の量子論的な説明とか、ろくに分かっていないので、上記の議論は天下り的に受け入れるしかない。 その辺、ちょっと心もとないので、いずれまた勉強し直したいと思う。

総電子数 に対する伝導体の電子数の割合が、10 の -14乗 ( 100 兆分の1) しかないというのは、少し意外だ。 普段、パソコンを使っていると、CPU の中で結構な電流が流れているはずで、それは伝導体の電子が担っているはずだ。 ところが、その個数は、CPU内部の半導体に含まれる電子数を日本の国家予算とすると、たった1円相当の電子ということになる ....本当か?
Atoms
右図は、走査型トンネル顕微鏡による、シリコン結晶の画像
電子雲(伝導帯または価電子帯 )の表面の形が、
トンネル電流の大きさ(陰影)に反映されていると思われる。

半導体デバイスの基礎 ( #半導体 #ボーア模型)

前回、半導体の原理的な理解をしようという、ずいぶん面倒くさい課題を設定したわけだが、とにかく地道に教科書を読むことにする。

半導体デバイスの基礎」 という 3巻組の本で、相当な量がある。 量があるのは、原理的なことを、かなり事細かに数式の展開も含めて説明しようとしているからで、これは 「理解したい」 という意図で読むには、とても親切でありがたい。

ひとまず、前期量子論の原子モデル(ボーア模型)の説明を読む。 半導体の原理は量子論を基礎としているので、その解説から入っていくらしい。 それにしても道は遠い。
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       水素のボーア模型
    Bohr_atom_animation_21

ロボットカーの基礎は半導体 ( #Arduino #半導体)

Linesensor「ロボットカーがコース上を走る」 という動作を分析すると、次のようなことになっている。

1.車体前方の赤外線 LED(右図)が下向きに発光する。
 
2.黒い板と白いテープの赤外線反射率の違いにより、
  赤外線センサー(右図)の出力電圧が変化する。
 
3.赤外線センサーの出力電圧に対し、一定のしきい値を基準に
  High/Low 電圧が Arduino 基板に入力される。
Arduino

4.Arduino 内部のプログラムにより、センサーからの信号に応じて、モータの制御信号(クロック)波形を変化させる。

Pwm

5.クロック波形に応じた電流がモータに供給される。
6.電流により、モータが回転する。

この開発キットの場合、上記 1~3 および 5~6 の機能は、既に作りこまれているので、ユーザ自身が考えて手を加えるのは 4 のプログラム部分である。 Arduino は誰でも使える、というのが売りなので、これはこれで良い。

ただ、今後の方針なのだが、ハードウェア部分、それも最も基本的な CPU など半導体そのものについて知識を深めたいと考えている。 システムを作りこむ作業ではなく、書籍ベースで半導体の原理的な理解を積み重ねる、という地道な作業を行うことになる。 果たして挫折せずに続けて行けるか、少々心もとないが、以前から一度は取り組んで見るつもりだったので、これから何とか頑張ってみたい。

ロボットカー ( #Arduino #OSOYOO #ROBOTCAR )

10_20231018213001Arduino 開発元では「誰でも Arduino を利用できるようにする」というビジョンを掲げている。 実際、そのビジョンに沿って、非常に多くの開発キット類が販売されていて色々興味深い。 今回はその中から 「ロボットカー」 というものを使って、いくつか実験をやってみる。 元々は、会社の技術研修で使えるようにするのが目的なのだが、もはや半分趣味でもある。

購入したキットは OSOYOO というブランドの 2WD ROBOT CAR STARTER KIT というものである。OSOYOO という耳慣れない名前は、カナダ南西の Osoyoos という町の名前に由来するらしい。 メーカは、カナダのリッチモンドの Pinetree Electronics という会社である。 工場は中国の深圳にあるようだ。

とにかく組み立てて、走らせてみる。 黒いプラスティック段ボール板の上に、白いビニールテープを適当に貼ってコースを作り、その上を自動的になぞって走るように、プログラムを書く。 見た目、あんまりスムーズではないが、まあまあコースから外れずに、ぐるぐる走り続けることができた。 もっと広いコースで、思いっきりスピードを上げて走らせてみたいが、いつかできるだろうか。

«Arduino = 阿爾杜伊諾 ( #Arduino #台湾 )

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