ルベーグ積分 ~ 測度の内部正則性
ルベーグ積分の学習。
ルベーグ積分⑲ ~測度の内部正則性の証明~
前回、ボレル集合族のことを書いた。 測る対象がボレル集合族の仲間(ボレル集合)であれば、積分などの数学的な操作を行うのに都合が良いらしい。 今回は、測る対象がボレル集合の場合、その測定値(測度)を決めるための、ある種の方法(内部正則性)を学習した。実数空間(現実の3次元空間など)の一部(例えばコップの内部)の大きさを測りたいとき、直接、物差しなどで測ろうとしても上手く行かない。 例えば、水を満杯にして、その水の体積を適当な測定器を使って調べるのが正確な測り方になるだろう。 要するに「特定の測定値(測度)が決まる」ということが必要だ。
数学的には、特定の測定値が決まるような対象のことを「コンパクト集合」という抽象的な概念で表わすのだが、ここでは、コップの中の水をコンパク集合だと思うことにする。 当然、乱暴に水を注いではいけない。 だから「測り方」も重要で、あくまで水(コンパクト集合)の体積を決められるような丁寧な測り方をせねばならない。
さらには、測定値が決まればよい、というだけでもない。 正確に測るためには、コップから溢れない、上限ぎりぎりの所に水面を作る必要がある。 このようにして決まる測定値のことを、数学でも「上限」と呼ぶ。
今回学んだこと(内部正則性)を、あえて雑に例えれば、「コップの内部(ボレル集合)の大きさは、コップを満たす水(コンパクト集合)の量を、丁寧に測った時の、測定値の上限で決めることができる」といえるかも・・・あまり自信ないが。
ボレル集合そのものの意味は、未だに漠然としている。 数学的には「当たり前の測定値が得られる」という性質が要求されているようだ。 つまり「コップ2杯分の容積は、1杯分の容積を別々に測って足し合わせたものに等しい」といった感じで、いや当たり前だろうと思うが、数学では、そこのところをきちんと言っておかないと、後で困ることになるらしい。
ちなみに、コップではなく靴下の場合、小麦粉か何かを使って容積を測れそうだが、こちらは、コップとは違う問題が起きそうだ。靴下は伸び縮みするし、網目の隙間から小麦粉が漏れるかもしれない。 ということは、靴下の内部空間は、ボレル集合ではない、ということか・・・。
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