ルベーグ積分 ~ ボレル集合族
ルベーグ積分の学習。
ルベーグ積分⑭ ~ ボレル集合族の定義 ~
前回まで何かの大きさや量を測ることを、数学の言葉で表すことを学習してきたわけだが、今回は、測る操作ではなく、測る対象についての議論である。ルベーグ積分では、測る対象を 「集合」 として捉え、その集合が、実際に測れる性質のものかどうか見極める作業が必要になる(らしい)。
いや、そんな面倒くさいことを考えなくても、実際に測ってみて 「んー何かうまく測れないんですけど~」 ということになったら、ベテランの人が出てきて、ほらこうすれば測れるじゃないか、ということを教えてあげればいいし、それでも測れなかったらあきらめるとか専門業者に頼むとか・・・まあ、それは現場の話であって、数学ではないわけだが。
5回ほど前の投稿で、集合の可測性について学んだことを書いたが、これは、言ってみれば 「境界がはっきりしているかどうか」 というようなことだろう、と直観的に理解できた。
しかし今回、見極めるべきことは、測るべき対象(集合)が 「ボレル集合族の要素かどうか」 という内容で、正直な所、初心者には謎の話といわざるを得ない。
全体像がつかめていないことを承知で、ボレル集合族(集合を要素とする集合)の性質を書くと...
1.実数空間(現実の3次元空間など)の任意の領域(部分集合)を要素とすること。
(部分集合は無限個考えられるので、集合族の要素も無限個ある。)
2.集合族の要素(部分集合)の補集合が、その集合族に含まれること(σ-加法族の性質)
3.集合族の要素(部分集合)を勝手な数だけ集めて作った和集合が、その集合族に含まれること(σ-加法族の性質)
4.1~3をみたす集合族の中で「最小」であること
1~3が、測定対象(領域の体積とか)を測る時、成立してほしい性質だろうというのは何となく理解できる。ある領域の体積を測ったら、残りの領域も(体積は無限大かもしれないが)測れた方がいいし、複数の領域を重ね合わせてできた領域も測れたほうがいい。
良く分からないのが 「最小の集合族」 という概念だ。1~3を満たす集合族を、全て洗い出して、それぞれの包含関係を
A1 ⊂ A2 ⊂ A3 ⊂ ・・・ と書き出すことができれば、A1 が最小である、ということは言えそうだ。 しかし、実際には 「部分集合の集合族」 を全て書き出すなどということができる訳もなく、仕方ないのでそこは保留にして、このまま学習を続ければ、もしかしたら分かるようになるのだろう、と思っている次第。
画像は 「ホットケーキの部分集合を集めた集合族」 のつもりだが、当然ながら、ボレル集合族ではない。 ボレルにするためには、元にするのはホットケーキじゃなくて多次元空間だし、切れ端(部分集合)も無限大の大きさから見えないくらい小さなものまで、無限個存在する。
それはさておき、集合族が最小であるというのは、「なるべく小さな皿に収まる」 ということだと思うが・・・
これは、やっぱり意味不明だ。
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